ウクライナからの悲報が続いている。

青梅にも戦争遺跡が在り訪ねてみた。

先日、足慣らしに御岳山から日出山(902m)に登ってきた。

日出山頂上から東京方面を望む

日の出山は東側が開けていて東京方面が一望できる。頂上付近には秋の花、キンミズヒキが咲いていた。

頂上から三室山を経て当博物館近くの梅の公園へ下る途中に重爆撃機「飛龍」の墜落地の看板がある。昭和20年8月11日、終戦の4日前に12名の若い命が失われている。

今回は三室山までは行かずに途中軍畑への分岐があり、ススキの藪を抜けて青梅市柚木町へ下山した。

キンミズヒキ

戦争中墜落したB29 の慰霊碑があると聞いていたので寄ってみた。「B29 」と書かれた小さな案内板に沿って急な竹林を10分程登って行くと「當所無縁一切聖霊」と書かれた墓と平和の鐘が見つかった。搭乗員の5人が亡くなり、当初無造作に埋められていた。

近くに疎開していた吉川英治が「敵であっても亡くなれば同じ人間、粗末な扱いはよくない、丁重に扱うように」と地元を説得し、近くの即清寺で荼毘に付し埋葬した。既に遺骨は米軍が回収したが墜落地の慰霊碑は地元で守ってきた。2006年米軍と合同慰霊祭が開かれた。パラシュートで脱出し捕虜となり、戦後帰国した元米兵からメッセージが送られている。「この慰霊祭のことを聞き、60年の恨みが全く消えた。」と。

武士道を題材にした小説を多く書いているとはいえ空襲で多数の死者が出ている中で「死ねば同じ人間」と言い切るのは中々出来ないことと思う。

B29墜落慰霊碑

人間同士の殺し合いのむなしさと平和の大切さをこの慰霊碑が示しているように思える。慰霊碑にはカンビールが供えてあった。誰でも一緒にビールが飲める世の中になるとよいのだが・・・。

慰霊碑に関するYouTube画像

(中央大学FLP松野良一ゼミより)

 

2022/10/10 青梅きもの博物館 館長 鈴木啓三